2012年3月18日日曜日

ビタミンK不投与で乳児死亡…母親が助産師提訴

ビタミンK不投与で乳児死亡…母親が助産師提訴

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100709-00000173-yom-soci



昔に十分な栄養剤などが無い場合、このビタミンKというのはどうやって赤ちゃんに与えていたのですか?







赤ちゃんにビタミンKを与えない場合、約1700人にひとりの割合で亡くなったり重い後遺症が残るようです。昔は母親の栄養状態がよくないことも今より多かったでしょうから、もっと割合は大きかったかもしれません。

ただ、それ以上に他の栄養だって不足していただろうし衛生観念だって未発達だったろうし、赤ちゃんの死亡する多くの原因があり、乳児ビタミンK欠乏性出血症はそのなかのひとつに過ぎません。そして、compactさんも書かれているようにビタミンKが不足しているという原因も明らかにされておらず、その他の原因も多くは不明のまま「生きる力が弱かった」というような漠然とした表現で片付けられていたのです。



それが医療の進歩でひとつひとつ原因を突き止め、除去していくことで現在の日本のような低い死亡率を達成できたのです。その成果のひとつが乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防として赤ちゃんにビタミンKを投与する、という方法なのです。詳しいことは以下のページなどが参考になります。



http://square.umin.ac.jp/jin/text/K2.html

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail17.html





記事にははっきりとは書かれていませんが、この助産師はホメオパシーに傾倒し、ビタミンKのかわりに同等の効果があると称するレメディを赤ちゃんに与えていたようです。知恵袋でもホメオパシーに関連する質問がいくつも見られますが、実はホメオパシーは効果のない代物です。

どのように調べて効果がないということがわかったかについては、新潮社の「代替医療のトリック」という本に非常に詳しく書かれています。この本の著者のひとりはホメオパシーを実践していたのですが、効果に疑問を持ち調べた結果いまではホメオパシーに否定的になっています。

効果がないばかりか、今回の悲劇のように通常の医療を拒否することでかえって害をもたらす例も知られています。とくに予防接種を敵視していることが多く、注意が必要です。



今回は母親に無断で助産師がおこなったことですが、母親や父親が傾倒して取り返しのつかない事態になった例もあります。赤ちゃんだけでなく、成人でも癌の治療を拒否して代替医療を頼り、本来なら完治できるはずだったものが手遅れになった、といった話はいくつもあります。

困ったことに医療不信を煽ってホメオパシーに引き込もうとするひとたちのほとんどは、じつは善意でおこなっていると思われます。ただ正確な知識が不足しているだけです。この助産師も悪意でビタミンKを投与しなかったわけではなく、「レメディのほうがよさそうだから」という理由だったのでしょう。もっとも、いかに善意であっても医療従事者としては致命的ですが。



今回の報道を受けてホメオパシーの実態が広く知られるといいのですが、善意でホメオパシーを宣伝するひとたちは逆手に取って「赤ちゃんにレメディは駄目ですねー。でも、正しく使えばとてもいいものなんですよ。自然だし。」というような宣伝をおこなって認知を広めようとするかもしれません。赤ちゃんの犠牲を無駄にしないためにも、そういう事態に陥らずに多くのひとに正しい知識を知ってもらうことが必要ですね。








推測ですが…

納豆は今ではビタミンKが豊富で産後の授乳婦に良いと言われてますが、ビタミンK以外にも栄養は豊富で良質なたんぱく質なので昔からよく食べられてたのでは?それで知らぬうちにもビタミンKの含まれた母乳を作っていたのではないでしょうか。

それでもビタミンK欠乏のために亡くなる子も多かったとは思いますが…。







そもそも、ビタミンK不足と新生児の出血傾向の因果関係がはっきりし、

新生児にビタミンKシロップを与えるのが当たり前になったのは昭和60年代から。



それまでは全く与えていませんでした。

(与えるという概念さえなかったのです)

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